ニュースレター

阿智野菜便り №99(2012.1.10)

newsletter.jpg
今年もよろしくお願いいたします。
去年は3月11日に東日本大震災があって大変な年になりました。
私は今年還暦を迎えますが、60年近い人生の中ではいろいろなことがありました。
しかし、去年の3月11日に起きた震災と、その後の福島原発の三度にわたる爆発は、私の人生の中で最大の事件でした。一時に2万人の死者・行方不明者を出した津波震災と、広範で深刻な放射能の拡散という事態を招いた原発の事故は、日本の社会全体でも戦後最悪にして最大の出来事だと思います。

去年の秋に支援米を届けに行った時に、三陸の魚港が機能を回復し、産業が復興して、そこに住んでいる人の生活が再建するまでには長い時間がかかると感じました。社会の総力をあげて、ヒト、モノ、カネを集中させなければ復興はかなわないと感じました。見た限りでは復興の動きは止まっていて、被災地では政治が機能していないようでした。

また、放射能に汚れたふる里を離れた人たちが戻れるのはいつになるのでしょうか。仮に除染がある程度の効果をあげたとしても、高汚染地帯は、私のような中高年では生きている間にはもう戻れないかもしれません。

食品の放射能汚染は政府のまずい対応で、風評被害と実害の区別がつかない状況です。食の放射能汚染への心配がひろがる中で、信頼できない行政に頼らずに市民が自分たちの手で放射能を測定する動きが全国化しています。私の地元でも市民の有志がお金を出し合って放射能測定器を買い、年末から測定が始まりました。地元産の農産物や、スーパーで販売している魚などの測定をしています。私も会員の放射能測定伊那谷市民ネットワークhttp://rm-ina.net/では測定結果を公表していますので、インターネットが出来る環境にある方は見ることができます。
また、県が行なっている放射能検査の結果についてもHPhttp://www.pref.nagano.lg.jp/nousei/nousei/housyanou/housyasen3.htm上で公開されています。検出限界は10~20ベクレル/kgです。

長野県は軽井沢など群馬県と境を接する東信の一部に福島の放射能が降って、放射能要注意地域の17都県に入ってしまいました。
しかし、長野県は南北に長く、ここ下伊那は東信とは大分離れているので、幸いなことに放射能は殆ど降りませんでした。東にある南アルプスが盾になってくれたようです。
福島原発の爆発前は、ここから100キロ圏の浜岡原発が、東海地震と老朽化のため一番危ないと言われていましたが、菅元総理の功績で運転を停止中です。

newsletter2.jpg
被災地以外では、放射能のことを気にしなければ、もう震災のことを過去の出来事として生活していくことが出来るでしょう。
しかし、自覚するにせよ、しないにせよ、社会は3・11で変わってしまったのだと思います。というか、地震津波災害と原発の爆発は、それまで日本の社会で進行していた危機が表面化したと言えるのかもしれません。
中央と地方のいびつな関係、大事故を起こせば深刻な被害を及ぼす原発の電気に依存していた私たちの生活の危うさ・・・・。
食べ物や電気を供給して中央を支えていた地方が、とりわけ今回のことでは東北の沿岸部が地域崩壊の危機にあってもなお、中央はそのことに無自覚で有り続ける鈍感さには、地方に住んでいる者としては驚きです。
東京では、原発の是非を問う住民投票がすすめられているそうですが、都民の無関心で署名がなかなか集まらずに苦戦しているそうです。喉元過ぎれば熱さを忘れてしまうのでしょうか。もうこうなったら、石原知事にオリンピックではなく、原発の誘致をぶち上げてもらって、都民の目を覚ましてもらうしかないかなどと思ってしまいます。

それでも、社会の転換期を察した人たちの都会から田舎への流れは3・11以降大きくなってきたようです。私たち家族がチェルノブイリ原発の爆発のあと、都会から田舎を目指したように、今、阿智村は二十代、三十代の移住ラッシュです。今年になってから一家族が有機農業を始めるために移住し、現在あと二組が移住相談の継続中です。

newsletter3.jpg
今シーズンのセット野菜は今月で終了します。
今シーズンは農作業に専念できず、漬物を漬けることができませんでした。また、1月にセットに入れるつもりだった葉物野菜もハウス内にまくことができませんでした。そのために今月は保存野菜が中心になります。あと、キビか花豆が入ります。キビは少量をお米に混ぜて炊いてください。花豆は一晩水に漬けないで煮ることができます。

最近の野菜の味について薄くなったという声がありました。普段食べていて、味が違ってきたようには感じられませんでしたが、もし、薄くなったということであれば、その理由は肥料分を極力控えて栽培するようになったことが原因の一つかなと思い当たります。来シーズンは味の出やすい肥料を使うなど、少し工夫したいと思います。

来シーズンの開始は、いつもと同じに6月最初からにしたいと思います。5月になったらご案内を送らせていただきたいと思いますのでよろしくお願いします。
今シーズンもありがとうございました。

園主のブログ
阿智村有機農業日記

園主のツイッター
@kerokero100show

園主のFacebook
市川 勝彦

阿智有機農園

園主:市川勝彦

所在地:
長野県下伊那郡阿智村伍和2386ー2

電話番号:
0265-43-4766(夜間)
090-4462-1430(昼間)  

メール:
info@100show